多色木版画「これから・・・」

長かった今年の梅雨が「今日、明けた模様」との発表がありました。不思議なことに空は明るく、雲は元気に感じます。今日の郵便で国画会関西支部事務所からハガキが届き、今年の関西国展の開催は中止になったとのことです。新型コロナウイルスの拡散は勢いを増しているようです。「自粛期間」と言われた時期から木版画制作に精を出してきましたが、此のところ意欲が落ちてきたので気分転換に以前から「処分するべきか」迷っていた初期の小品の版木を刷り直しました。いずれブログにもアップしたいと思っています。前回アップした「紫陽花」のあと、新作にも取り組みました。舞妓の姿と背景の処理を工夫したつもりです。着物は薄墨である程度リアルに影を捉え、クリーム色一色で刷り重ねました。上部はアクアブルーの上に春日杉の木目をセルリアンブルーで刷り、中央部はカドミウムイエローの上にプルシャンブルー、そして金泥と銀泥を刷り重ねました。image size 40x30cm

多色木版画小品「紫陽花」

梅雨最中、7月になって雨天が続くとの天気予報、今朝からテレビニュースでは、九州地方で線状降水帯による猛烈な雨が降り続いていると報じています。球磨川流域で水害が発生しているとの報道があり、死者・心肺停止者・行方不明者が出ている様です。梅雨も植物を育てる恵みの雨であれば、人間にとってありがたい存在です。6月になって我が家にも紫陽花が咲きました。古い株の横のまだ若い株はまっすぐ伸びた茎の先に一つだけ大きな白い花をつけていたので、木版画にしようと思い立ちました。花の部分に薄紫を施したものと並べて掲載しました。この版画は8月23・24日に行われる奈良・元興寺の地蔵会・万燈会に出品させていただくつもりです。

小品多色木版画「ドクダミの花」

近畿地方は「6月10日梅雨入りしたとみられる」という気象庁の発表、例年に比べて2〜3日遅いとのこと。今日は午後から強い雨の予報でしたが、曇り空の時間が長くその分とても蒸し暑い1日でした。5月下旬に花粉症から解放され、最近はなるべくウオーキングに出るよう心がけています。もともと膝が強くないので、道端に生えている草花などを見ながらあまり急がず歩きますが、今年はドクダミが目立って多いように思います。そういえばアトリエの庭にも今までなかった群生ができていました。香りの強い植物ですが、緑の葉の中に白い花がくっきりと綺麗です。最近、作品に黒を使わないようになって、インパクトに欠けるように思いますが4色でまとめてみました。image size11x10cm

「ドクダミの花」を黒一色やモノトーンで作品にしようと試みました。モノトーンの作品は版下を作り直しました。(6月22日追記)

小品多色木版画「花笠石楠花(ハナガサシャクナゲ)」

もう十年余り経ちますが、門からのアプローチと玄関先の庭の改修のため庭師さんに入ってもらったことがあります。元あった樹木をできるだけ使ってもらいましたが数本新しい木を入れてくれました。そのうちの一本がカルミアでした。土が合わなかったのか、当初は2年に一度しか花芽をつけてくれませんでした。数年前、降雪が屋根から滑り落ちてカルミヤの枝を裂いてしまったことがあり、ダメでもともとと思いながらテープで修復しました。数年我慢をして昨年恐る恐るテープを外すと見事に傷が癒えていました。昨年花が終わったあと新芽が伸びてその先に花芽がつき、今年も見事な花を咲かせてくれました。カルミアの別名を調べると、ツツジ科なのにアメリカシャクナゲとか花笠石楠花というそうです。image size 15x12cm

 

 

多色木版画「あの時、この時」

今年も8月に京都市美術館で関西国展が開催される事になっています。出品作は3月から4月初めにかけて制作しました。今回の作品は左と右に分割して出来上がったものをつなぎ合わせる事で1枚の作品にしました。左部分はテーマの象徴として向日葵を用いました。右部分もすでに出来上がっていますので展覧会が近づいて時期につなぎ合わせた完成品としてブログに掲載したいと思います。

「追記」右部は背景に咲き始めた梅の木を配していることや、左右の女性像がお互いに背を向けているのが意図を特徴的に表しています。課題も表記のようにしました。image size  60x90cm

多色木版画「辛抱さんせよ」

新型コロナウイルスの拡散を防ぐ対策「Stay home」で外出の機会が減ったおかげ?で、前作と前後して作った下絵をもとに制作した木版画です。今はコロナウイルス拡散を抑えるために学校は休校、お店には休業要請、会社員にはリモートワークが勧められ、皆さんが外出を控えて我慢の時を過ごしています。芸能人はSNSでStay homeのキャンペーンをしているようです。自分も真似事のようなことができないかと思い、数年前の作品と同じ舞妓さんの着物を変え都々逸の一句添えて制作しました。

image size  30×22,5cm

 

 

多色木版画「春の風ー長谷寺」

前出と同じ日、法要を済ませて十一面観音様の足元にお参りし、そのあと私たちは「長谷寺の舞台」に出ました。こもりくの名の通り四方から迫った山々の鮮やかな新緑が穏やかな日差しに映えています。ふと振り返ると礼堂に懸けられた五色の幕が爽やかな風に揺れ、釣り灯篭のむこうにも若い緑の山が見えます。この山は与喜山といい、長谷寺の寺領として伐採が禁じられ、原生林の状態が残され、天然記念物に指定されているそうです。

image size  30×22.5cm

多色木版画「堂向うの早緑」

4月15日は義母の命日なので、納骨している長谷寺へ毎年妻ともに参拝します。今年も法要の案内を頂いたので、二人で出かけました。今年は新型コロナウイルスの影響で、長谷寺の参拝者は極端に少ないでした。山門からの登廊は石の階段が続きます。階段は2度折れ曲がり、最初は緩やかですが次第にステップが大きくなっているのでかなり息が切れます。「いつまでお参りできるかな」などと話しながら階段を登り切るとそこには広場があって右に札所があり、息を弾ませ額の汗を拭いながら左に進むと、本堂と礼堂の間を通る通路が見えます。古色蒼然とした建物の、その通路の先には花が終わり若葉が燃える木々が見えます。

image size  30×22.5cm

多色木版画「我らの願いを聞き入れ給え」

新型コロナウイルスの拡散は続いております。4月7日内閣総理大臣が「緊急事態宣言」を発出しました。1ヶ月の期間限定ですが、市民の協力が得られれば2週間ほどで効果が表れるといわれています。対象地区である七都府県の人々はこの宣言により強制ではないにしろ生活面で不自由を強いられます。もちろん全国的に警戒を怠る訳にはいきません。医療の門外漢にとっては自分の身を守る行動と、1日も早くこの災禍が収束することを祈るよりほかありません。手元に複数の穴が空いた春日杉の板があり、なんとか作品に使えないかと思っていましたが、表題の作品を思い立ち、今までになく人物を添景レベルまで小さく扱い、色数も抑えた絵面にして自分の気持ちを表現するよう務めた作品です。

image size 45x60cm

多色木版画「天宇受賣(アメノウズメ)」

新型コロナウイルス感染症が拡がり、東京圏を始め全国に様々な影響が出ております。美術館も例外ではなく国立新美術館も現在は閉館、いつ再開されるかわかりません。そんな中一昨日、4月29日から5月11日までの13日間開かれる予定の第94回展国展は中止するという連絡が入りました。今年の出品作は既に出来上がり額装して発送する準備も完了しておりますし、国展は始まってからブログに掲載するつもりでしたが、一ヶ月早くアップすることにしました。昨年は「木花之佐久夜」「石長比賣」と古事記に登場する女性をモチーフにしましたが、今年も続いて「天宇受賣」を取り上げました。原文通りの描写ではありませんが小生の制作路線の延長で表現したつもりです。 エンボスや春日杉の板目を用いた部分もあります。

image size 90x60cm